政略結婚に当人の意思など存在しえない。権力抗争や国力保持。そこにあるのは大人の思惑ばかり。では犠牲になった私たちの意思はどこへ行くのか。私たちは五歳の時に婚約した。王の戯れによってお手付きとなってしまったサイラス王子の母は後ろ盾が欲しかったのだろう。王宮勤めの父に泣きついて私たちの婚約を結んだそう。当時幼かった私でもわかる。それほど切迫していたのだろう。婚約して間もなく、彼の母親は亡くなった。母を亡くした彼は全てにおいて無力だった。味がしないからと言って食べる事さえ拒んだ。そして彼は私が食べる事さえ嫌がり…。
作品名：甘サド令嬢はヤンデレ製造機〜拗らせ王子は溺愛をご所望です〜
作者：くらめろメロン
出展元：pixiv
